ちょっとウンチク　雑草って何？

21.07.03

今回は、雑草の定義について考えてみたいと思います。
「いや、雑草の定義って、そんなの考える必要ないでしょ。雑草は道端に生えている草のことでしょ。」
という声が聞こえてきそうです。
まあそうおっしゃらずに、このコラムを見ている時点であなたはすでにマニアックな方ですので、もう少し踏み込んでみましょう。

雑草とは「人間にとって邪魔な植物」

雑草学という学問があります。はい、マニアックですね。
そういう学問があるということは、学者さんたちの集まり、つまり学会があります。

その中でもアメリカ雑草学会の雑草の定義がわかりやすいです。
そこには、「雑草とは、人類の使用する土地に発生して人類に直接あるいは間接に損害を与えるところの植物」とあります。
まあ、ひと言で言えば雑草とは「人間にとって邪魔な植物」のことをいいます。

この「人間にとって」というところがミソです。
言い換えると、同じ種類の植物でも人によっては雑草だったり、そうでは無かったりするわけです。
少し具体例を見ていきましょう。

雑草かどうかを決めるのは人間の都合

この写真は公園の芝生広場と言われる場所で撮った写真です。
小さな女の子がクローバーを取って喜んでいる様子が写っています。
手に持っているのはシロツメクサ、つまりクローバーです。
女の子なら誰しも一度は遊んだ記憶があると思います。

さて皆さん、この植物はこの女の子にとって雑草ですか？
…答えは、雑草ではありませんね。邪魔どころか楽しんでますから。
さて次のケースはどうでしょう。

この写真は、とある市営のサッカー場で撮影した写真です。
芝生のグラウンドに無数のクローバーが大発生しています。

近々ここで試合が行われるとします。
この植物は選手にとって雑草ですか？
…答えは、雑草です。
というかこれではプレーができませんね。ボールが止まってしまいます。

どうですか？
雑草という名の草は本当は無くて、人間が自分の都合でそう決めているだけなんだとお分かりいただけたと思います。

その場所に合った除草をご提案します

さて、お庭のそうじ屋さんがこれらの現場の管理者になんとかしてくれと頼まれたらどうするかを考えてみたいと思います。

まず公園の芝生広場について。
芝生というよりクローバー広場と呼べるくらいクローバーが占拠していたら、頻繁な機械による草刈りを提案します。

でもこれがサッカー場なら話は別です。
写真のような、芝生は枯れないけどクローバーは枯れる専用の除草剤を利用します。